2021(令和3)年度は以下3テーマについて研究を実施しました。
このうち(1)(2)は「安心な暮らしのヒントBOOK@ぎふvol.2」に掲載されています。
(1)温暖化に伴うクリ品種の収穫期に及ぼす影響と産地別品種マップの作成
気候変動がもたらす気温上昇により、クリの収穫期が早まることが予想されます。しかし、収穫期が早まりすぎると、需要と供給のミスマッチが起き、生産者、実需者(菓子業者等)ともに支障を来すことが予想されます。そこで、県内各クリ産地における温暖化が進行した 2030~60年頃の各品種の収穫始期を予測し、例えば植え替え時の品種選定等、更新計画に役立てるため、各産地において需要期に出荷できる最適な品種マップを作成しました。
(2)温暖化に伴うジャンボタニシの分布・被害拡大リスク評価
外来の有害動物であるジャンボタニシにより、県内各地で稲の食害が生じています。本種は冬季の越冬条件が生息分布の制限要因になっていると考えられていますが、今後、温暖化によって個体数や被害の増加、さらにはその分布域が拡大することが懸念されます。 本研究では、越冬条件を実験的に明らかにし、県内を①すでに生息・被害が確認できている地域、②侵入によって定着の恐れのある地域、③浸入するも定着しない地域の3つに区分し、 それぞれの地域において対策を講じるためのバックデータを提供しました。
(3)豪雨災害の増加と都市における災害リスクの評価及び課題分析
気候変動の影響により風水害に伴う住宅等の被害が増大していることから、防災の観点を取り入れたまちづくりを加速させることが求められています。そのため、モデル的に実施する都市を選定し、県が保有する都市計画基礎調査データ等の都市計画情報と、ハザードマップや洪水浸水想定区域図等を重ね合わせ、災害リスクの評価や防災上の課題の分析を取りまとめました。